2024年 電子ピアノの新たな進化 中の人のちょっとマニアックな話 YAMAHA CLP-835,CLP-845,CLP-875,CLP-885 / ROLAND LX-5,LX-6

ご近所に迷惑がかかりにくく、省スペースで手が届きやすいというメリットの大きい電子ピアノ。電子ピアノができて約半世紀。2024年、電子ピアノは新しい時代に突入しました!

まずは、この夏、発売されるヤマハ新型クラビノーバCLP-800シリーズの動画をご覧ください。


今までの電子ピアノでは難しかった早いパッセージのコロコロとした軽やかなフレーズ、ペダルを踏んだ時のふくらみ、生ピアノにここまで近づいたか!と感動します。


次にRoland LX-9。ピアニストAlex Szilasi氏もかっこいいですが、深い哀愁を帯びた和音からの切り込むような高音のフレーズ、ペダルを踏んだ低音の迫力は凄いですね!

単音ごとにピアノを録音して再生する、"単音での再生が優秀"な今までの電子ピアノ

今までの電子ピアノは、アコースティックピアノ88鍵盤それぞれの鍵盤を弾いた音を個別に録音、再生するサンプリングという技術が主流でした。

サンプリングは"一つの鍵盤を弾いた音を再生"することに関しては再現性の高い技術です。高精度な録音、88鍵盤全てを様々なタッチの強弱で録音したもの、高品質な再生装置、スマホ連動など新機能を搭載しながら、確実に進歩してきました。

今までの電子ピアノは何か物足りないと言われてきた?

これまでも進化を続けてきた電子ピアノではありますが、クラシックを中心に普段からアコースティックピアノを弾いている方にとっては、電子ピアノは、確かに似ているけど、何か物足りない・・・やっぱり本物のピアノには及ばない・・・という感想をもたれることが多いと言われています。

・鍵盤を押し込む力、押し込む加減、スピード
・鍵盤から指を離すスピード
・ペダルの踏み加減

演奏者は楽器からでる音を聴きながらこれらを繊細にコントロールし1つのフレーズを作り上げていきます。

230本もの弦を持つアコースティックピアノは、たとえ一つの鍵盤を弾いても、他の弦が共鳴現象により振動し、それがフレームに伝わります。
さらに、響板材を振動させ、響板の材料である木が高い倍音成分をカットし、耳に心地よい楽音成分だけを選択して、豊かな響きとなります。

楽曲の中でのフレーズの組み合わせや和音ではさらに振動や共鳴が複雑な動きになり"単音での再生が優秀"な今までの電子ピアノでは再現が難しかったとも言えます。

新技術(モデリング)で、よりアコースティックピアノらしく

最近のスマホは一昔前のパソコンより数十倍処理速度が上がって、きれいな写真や気持ちの良い操作感が売りになっています。これらの技術が電子ピアノにも使われ、また、半世紀にもわたるピアノ楽器解析やプログラム技術の蓄積が2024年の電子ピアノには反映されています!

鍵盤やペダルに使われるセンサーの進歩、和音やフレーズにおけるアコースティックピアノの中での共鳴による、複雑で深い音の変化。
ヤマハでは「グランド・エクスプレッション・モデリング」「バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)」、ローランドでは「ピアノ・リアリティ・モデリング音源」で、響板やフレーム、弦やハンマーなどが干渉し合うピアノ特有の音響特性を踏まえ、倍音や共鳴音など、弾き方によって異なる細かい音の特徴までも高い精度で再現できるようなってきました。

たとえば、モーツァルトの『ピアノソナタ ハ長調 K.545』に頻出する速いパッセージを、グランドピアノを弾くときと同様に浅いタッチで弾くと、1音1音がしっかり分離し、コロコロと転がるような軽やかな音色で演奏できます。そのほか、音を伸ばすダンパーペダルを踏みながら同じ音を連打する奏法では、振動する弦をどのようにハンマーが打ったのかをシミュレートし、グランドピアノ内部の物理現象によって生じる自然な音色変化も再現しています。これにより、ベートーヴェンの『エリーゼのために』の展開部分などで、グランドピアノで練習する時と同じような同音連打奏法で音に表情をつけることが可能です。

タッチのスピードをコントロールすることで、内声の伴奏ラインと外声のメロディーラインを異なる音色で弾き分けたり、トリルやレガートといった奏法においても鍵盤を押し込む深さに応じた音色の違いを表現したりできます。著名な曲で例を挙げると、『ドビュッシーの『月の光』では、緩いタッチから生まれる淡い音色の中に、くっきりとしたメロディーラインを輝かせたり、リストの『ため息』では、伴奏のアルペジオはメロディーを邪魔することなくそれを引き立てたり、メロディーはさまざまな表情を付けながら歌うような演奏ができます。また、ショパンの『ノクターン《遺作》』では、鍵盤の上澄みだけで演奏するトリルやレガートも、その奏法に応じた軽やかでスムースな音色表現ができるので、奏法テクニックを学びながら演奏を楽しめます。

==ヤマハCLP-800シリーズサイトからの引用==
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/clavinova/clp-800_series/index.html

動画を見ていただいてもおわかりのように、電子ピアノはアコースティックピアノの再現にさらに一歩近づいてきたと感じました。

新響楽器西宮オーパスでは、ヤマハクラビノーバ800シリーズとローランドLXシリーズを比べていただけるよう展示を予定しています。
CLP-845,CLP-875,CLP-885,NU1XA,LX-5,LX-6を展示中です。

ヤマハ電子ピアノCLP800シリーズ・ハイブリッドピアノAvantGrand NU1XA 比較表

鍵盤・ペダル スピーカー
鍵盤 ペダル ピアノ音 ピアノ音源の効果 スピーカー 低音域 中音域 高音域
NU1XA NU1XA専用アップライト
ピアノアクション
アーティキュレーション
・センサーシステム
グランドタッチ™ペダル
(GPレスポンスダンパー付)
ヤマハ CFXサンプリング
ベーゼンドルファー
インペリアルサンプリング
バーチャル・レゾナンス
・モデリング(VRM)


グランド・エクスプレッション
・モデリング

2ウェイ
4スピーカー
16cm
スピーカー
バイ
ディレクショナル
ホーン
CLP-885 木製/グランドタッチ™鍵盤
カウンターウェイト
88鍵リニアグレードハンマー
3ウェイ6
スピーカー
(グランド
アコースティック
イメージング)
スプルースコーン
スピーカー
ディフューザー
スプルースコーン
スピーカー
ディフューザー
CLP-875 木製/グランドタッチ™鍵盤
88鍵リニアグレードハンマー
ウーファー ディフューザー
CLP-845 木製/グランドタッチ-エス™鍵盤 グランドタッチ™ペダル 2ウェイ
4スピーカー
ディフューザー
ディフューザー
CLP-835 グランドタッチ-エス™鍵盤 1ウェイ
2スピーカー
ディフューザー

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